「お子さんの将来の選択肢を、できるだけ広げてあげたい」。
そう願うのは、親として当然の気持ちですよね。
習い事は、そのための有力な手段の一つです。
私自身、小学校教諭として10年間、その後教育関連企業で5年間カリキュラム開発に携わり、現在は個人で学習塾を経営しながら教育コンサルタントとして活動してきました。
その中で、本当に多くの子どもたちの成長を間近で見てきました。
子どもたちの可能性は無限大です。
それをどう引き出すかが、私たち大人の重要な役割だと考えています。
この記事では、家庭と教育現場の両方の視点を持つ私だからこそお伝えできる、習い事選びのポイントを詳しく解説します。
皆さんの習い事選びに、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
目次
子どもの興味を伸ばす習い事の基本
興味をベースにした習い事選びがなぜ大切か
まず、なぜ「興味」をベースに選ぶことが大切なのでしょうか?
それは、子どもが自ら「やりたい!」と思う気持ちが、何よりの上達の原動力となるからです。
例えば、ある男の子は、昆虫が大好きで、いつも図鑑を眺めていました。
そこで、親御さんが昆虫観察ができる自然教室に連れて行ったところ、目を輝かせて活動に参加し、知識をどんどん吸収していったのです。
→ 好きなことを追求する楽しさ
→ 自分で学ぶ意欲の向上
→ 継続的な取り組みによるスキルの向上
このように、興味をベースにした習い事は、子どもの内発的なモチベーションを高め、長期的な成長につながります。
逆に、親が一方的に「これが良い」と決めてしまうと、子どもは受け身になりがちです。
「やらされている」と感じると、せっかくの習い事も効果が半減してしまいます。
子どもの「好き」を大切にすることが、習い事選びの第一歩です。
子どもの性格タイプに合わせたおすすめ領域
次に、子どもの性格タイプ別に、どのような習い事が向いているかを見ていきましょう。
もちろん、これはあくまでも一例です。
子どもの個性をよく観察し、柔軟に考えることが大切です。
性格タイプ | おすすめの習い事 |
---|---|
好奇心旺盛 | プログラミング、科学実験、英会話 |
身体を動かすのが好き | サッカー、ダンス、体操、水泳 |
コツコツ努力型 | ピアノ、習字、そろばん |
表現力豊か | 絵画、演劇、作文 |
協調性がある | チームスポーツ(野球、バスケなど)、合唱、吹奏楽 |
例えば、おとなしい性格の子どもに無理に団体競技をさせても、なじめずに苦痛を感じてしまうかもしれません。
それよりも、一人でじっくり取り組める習い事の方が、才能を伸ばせる可能性があります。
「うちの子は、どんな性格かな?」
「どんなことに興味を持っているかな?」
そんな視点で、お子さんをじっくり観察してみてください。
- 集中して取り組んでいることは何か?
- どんな遊びを好むか?
- どんな本やテレビ番組に興味を示すか?
普段の生活の中に、たくさんのヒントが隠れていますよ。
習い事選びの前に考えたい「子どもの個性」の見極め方
得意・不得意の発見:小さな成功体験を積み重ねるポイント
子どもの得意・不得意を見つけるには、どうすれば良いのでしょうか?
ここで大切なのは、「小さな成功体験」を積み重ねることです。
例えば、ブロック遊びが得意な子には、少し難しい組み立てキットを与えてみましょう。
試行錯誤しながら完成させた時、「できた!」という達成感が自信につながります。
1) 子どもの「好き」なことから始める
2) 少しだけ難しい課題に挑戦させる
3) できたことを一緒に喜ぶ
このように、小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは自分の得意なこと、好きなことに気づいていきます。
「成功体験は、子どもの自己肯定感を高め、新たな挑戦への意欲を育みます。」
一方、不得意なことに無理に取り組ませる必要はありません。
「苦手なことを克服させる」という考え方もありますが、私は「得意なことを伸ばす」方が、子どもの可能性を広げると考えています。
観察とヒアリング:親子のコミュニケーションが鍵
子どもの個性を見極める上で、もう一つ大切なのが「親子のコミュニケーション」です。
普段から、子どもの様子をよく観察し、何に興味を持っているのか、どんなことに喜びを感じているのかを把握しましょう。
- 今日、学校でどんなことがあった?
- どんな遊びが楽しかった?
- 今、一番好きなことは何?
こんな風に、日常的に子どもと会話する時間を持つことが大切です。
また、子どもが何かを「やりたい」と言った時には、その気持ちを尊重しましょう。
「どうして、それをやりたいの?」
「どんなところが面白そう?」
と、子どもの考えを深く聞いてみてください。
親が子どもの気持ちに寄り添うことで、子どもは自分の興味や考えを素直に表現できるようになります。
実体験から見た成功事例と失敗事例
「楽しく継続できた」ケースとその共通点
私がこれまで見てきた中で、「楽しく継続できた」習い事には、いくつかの共通点があります。
- 子ども自身が「やりたい」と選んだ
- 指導者が子どもの個性を理解し、やる気を引き出してくれた
- 同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できた
例えば、ある女の子は、絵を描くことが大好きでした。
でも、最初はなかなか上手に描けず、自信をなくしかけていました。
そんな時、絵画教室の先生が、彼女の個性的な色使いを褒め、「あなたにしか描けない絵だね」と励ましてくれたのです。
その言葉がきっかけで、彼女は自信を取り戻し、どんどん上達していきました。
成功のポイント | 具体的な効果 |
---|---|
子どもの自主性 | 意欲的に取り組む、自分で工夫する |
指導者の理解 | 個性を認められ、自信がつく、安心して挑戦できる |
仲間の存在 | 刺激を受け、目標ができる、一緒に成長する喜びを感じる |
このように、子どもの自主性を尊重し、個性を認めてくれる指導者や、一緒に頑張れる仲間の存在が、習い事を「楽しく継続できる」大きな要因となります。
「やる気を失ってしまった」ケースに学ぶ教訓
一方、「やる気を失ってしまった」ケースからは、どんな教訓が得られるでしょうか?
- 親が一方的に習い事を決めてしまった
- 指導者との相性が悪かった
- 練習が厳しすぎて、楽しめなかった
例えば、ある男の子は、親の勧めでサッカーを始めました。
でも、本当は絵を描く方が好きだったのです。
練習に行っても、なかなか上達せず、コーチにもよく怒られていました。
結局、彼はサッカーが嫌いになり、辞めてしまいました。
「子どもの気持ちを無視した習い事選びは、逆効果になることがあります。」
このケースから学べるのは、「子どもの意思を尊重すること」の大切さです。
また、指導者との相性も重要です。
体験レッスンなどを活用して、指導方針や雰囲気が子どもに合っているかを確認しましょう。
さらに、練習の厳しさも、子どもの年齢や性格に合わせて調整する必要があります。
「楽しい」と感じられることが、継続の秘訣です。
親としてできるサポートとコミュニケーション
「褒めて伸ばす」声かけの実践テクニック
では、親として、子どもの習い事をどのようにサポートすれば良いのでしょうか?
私が大切にしているのは、「褒めて伸ばす」という方針です。
子どもが何かを頑張った時、できたことを具体的に褒めてあげましょう。
- 「この前の試合、最後まで諦めずに走ってたね。すごい!」
- 「この絵、色の使い方がとっても素敵だね。どうやって思いついたの?」
- 「難しい曲なのに、よく練習したね。どんどん上手になってるよ!」
このように、具体的な行動や成果を褒めることで、子どもは「自分はできるんだ」という自信を持つことができます。
→ 結果だけでなく、過程を褒める
→ 他の子どもと比較しない
→ 子どもの成長を一緒に喜ぶ
「褒める」というと、「甘やかす」と混同されがちですが、そうではありません。
子どもの努力を認め、成長を一緒に喜ぶことが、「褒めて伸ばす」ということです。
挫折したときに支える言葉がけと新たなチャレンジの促し方
どんなに好きな習い事でも、時には挫折を経験することもあります。
そんな時、親はどのように対応すれば良いのでしょうか?
まずは、子どもの気持ちに寄り添い、共感することが大切です。
「悔しかったね」「辛かったね」と、子どもの感情を受け止めましょう。
そして、「でも、ここまでよく頑張ったね」と、これまでの努力を認めます。
その上で、「次はどうしたい?」と、子どもの意思を確認します。
- 「もう少し続けてみたい」と言うなら、一緒に解決策を考えましょう。
- 「もう辞めたい」と言うなら、その気持ちを尊重し、新たなチャレンジを促します。
「失敗は、成功のもと」です。
挫折を経験したからこそ、学べることもたくさんあります。
大切なのは、失敗を恐れずに、何度でもチャレンジできる環境を整えることです。
データに見る習い事の効果と最新トレンド
学習意欲やコミュニケーション能力への影響:研究結果から
習い事は、子どもの成長にどのような影響を与えるのでしょうか?
様々な研究結果から、習い事が学習意欲やコミュニケーション能力の向上に効果的であることが分かっています。
例えば、ある研究では、スポーツ系の習い事をしている子どもは、そうでない子どもに比べて、学習意欲が高い傾向にあることが示されました。
また、音楽系の習い事は、協調性やコミュニケーション能力の向上に効果的であるという研究結果もあります。
習い事の種類 | 主な効果 |
---|---|
スポーツ系 | 学習意欲の向上、体力向上、忍耐力の育成 |
音楽系 | 協調性の向上、コミュニケーション能力の向上、表現力の育成 |
文化系 | 集中力の向上、創造性の育成、知識・教養の習得 |
これらの結果から、習い事は、学力だけでなく、子どもの総合的な成長に大きく貢献することが分かります。
オンライン習い事や新ジャンルへの注目度
近年、オンラインの習い事や、新しいジャンルの習い事が注目を集めています。
オンライン習い事は、通塾の負担が少なく、自宅で気軽に受講できるというメリットがあります。
また、プログラミングや動画制作など、時代に合った新しいスキルを学べる習い事も増えています。
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| オンライン習い事の例 |
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| プログラミング |
| 英会話 |
| 音楽(楽器演奏、作曲) |
| 絵画・イラスト |
| ダンス |
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これらの新しい習い事は、子どもの将来の選択肢を広げる上で、非常に有効です。
特に、IT関連のスキルは、これからの社会でますます重要になっていくでしょう。
子どもの興味や適性に合わせて、新しいジャンルの習い事にも目を向けてみてください。
まとめ
習い事選びは、子どもの「将来の選択肢」を広げる大きなチャンスです。
大切なのは、子どもの興味や個性をよく見極め、無理なく続けられる環境を整えることです。
- 子どもの「好き」を大切に
- 性格タイプに合わせた習い事選びを
- 小さな成功体験の積み重ねが自信に
- 親子のコミュニケーションが鍵
- 指導者や仲間との良い関係が継続の秘訣
- 挫折を恐れず、新たなチャレンジを応援
- データも参考に、最新トレンドにも注目
私自身、教育現場と家庭の両方の視点から、多くの子どもたちの成長を見てきました。
その経験から言えるのは、「すべての子どもには伸びる可能性がある」ということです。
習い事を通じて、子どもたちの可能性を最大限に引き出し、将来の選択肢を広げてあげましょう。
子どもの未来は、無限大です。